古代インド人が不死に至ることをどのようにして信じることができたのか ――「呪術」的な認識の新解釈

footnotes

1. ウパニシャッドの和訳は、岩本裕編 (2013)『原典訳　ウパニシャッド』ちくま学芸文庫に所収のものを参照し、部分的に私訳した。またその際、P・オリベラの訳 (Olivelle, 1998)とR・E・ヒュームの訳 (Hume, 1921)を参照した。原著論文は自らの訳に基づいている
2. “ideas are objects that you can play with, toss around, or turn over in your mind.”“play with, toss around, or turn over”という三つの表現は、直訳すると「ひっくり返す」「ほうり投げる」「もてあそぶ」といった意味をそれぞれ持っているが、すべて「考える」の比喩的表現である。ここでは、直訳すると意味が通じないので、日本語で「考える」に関する表現「考えをしぼり出す」「考えをめぐらす」「考えをこねくり回す」を参照し、これに変えた。そのほかにも、似たような表現の中には「考えを払いのける」「考えが浮かぶ」等の表現がある。
3. この「死の形」という表現は、死すべきものを指す隠喩的な表現だと考える研究者もいる(岩本2013, p. 332; 服部1969, p. 91)。しかし、本論があげた諸事例とともに理解するのならば、この句は字義通り、具体化された死概念として理解すべきである。これを死すべきものを指す比喩だと考えるのは、概念を具体的な物質として捉えなくなった現代人の偏見によるものである。
4. さらに、次の文献を参照(Bowker, 1993, pp. 30-31; Friedman, 2013, p. 198)。

References

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• Cohen, Signe. (2008) Text and Authority in the Older Upaniṣads, Leiden: Brill.
• Lakoff, George, & Johnson, Mark. (1999) Philosophy in the Flesh: The Embodied Mind and Its Challenge to Western Thought, New York: Basic Books.